5歳男児死亡火災事故 明治神宮外苑イベントの展示物製作生徒「燃えるとは思わなった」
京都新宿区の明治神宮外苑のイベント会場において、木製のジャングルジムが燃え、中で遊んでいた男児生徒が死亡した火災で、燃えた展示物を制作した学生が白熱灯をライトアップ目的で使用したことについて、
「燃えるとは思っていなかった」
と説明していることが警視庁への取材で分かった。
調べによると、白熱電球の投光器をもともと作業用として会場に持ち込んでおり、ジャングルジムの中に直接白熱灯を入れたという。
火災の原因は白熱灯の熱で中に敷かれていたおがくずが発火した事が火災に繋がったとみており、今後学生らとともに再現実験を行い、実際に出火につながるかどうか検証する方針。
明治神宮外苑イベントの展示物製作生徒「燃えるとは思わなった」
以前に書かせていただいたこのニュースに関する記事
この事件は本当に切ないですね…
先日動画投稿サイトに火災の最中の映像が投稿されており、本当に心が苦しくなりました…
関わった人全てが不幸になる本当に悲しい事故です。
この火災に関しては様々な原因が考えられると思いますが、今一番有力と見られているのが『白熱灯』。
この温度上昇に伴い、一緒にジャングルジム内に設置されていたおがクズに引火したのではないかという見方。
実際にこの展示物の燃える前の写真を見てみると、ジャングルジム全体を外から照らすように白熱灯が設置されているのではなく、中に設置し、中心部分を照らすような形で設置されているのですね。
キャンプをやった人なら分かると思いますが、おがクズの燃えやすさは尋常じゃありません。
一本の枝を燃やそうとすると、多少時間をかけて火をつけないと燃え広がりませんが、おがクズなら一瞬で火が付きます。
この画像が分かりやすいです。
画像引用元:火打ち棒を使っておがくずに火をつけるGIF画像 [GIFMAGAZINE]
この画像は火打石でおがクズに火をつける瞬間の映像。
火打ち石は直接火をつくるのではなく、あくまで火花を作り出すもの。
しかし、そんな火花でさえも簡単に火が付いてしまい、それが敷き詰められていて、さらにジャングルジム自体が木製なら最悪の組み合わせです。
もしジャングルジムが鉄製などの燃えない素材であれば、おがクズ自体一瞬で火が付きますがすぐに燃え終わってしまうのでここまでの惨事にならなかったのかもしれません。
勉強だけではない教育が必要
この事故の原因は今はまだ調査中ですが、もし白熱灯だった場合、製作者に”一般の人が知っているであろう知識が不足していた”というのがこの事故の大きな要因ではなかったのかと思います。
第一に『白熱灯が熱くなる』という知識。
今ではLEDが普及しているので昔ほど使われていませんが、白熱灯の電球交換を何度か行ったことがある。という人ならおそらく何となくでも分かるようなことではないでしょうか?
電球が切れたからといってすぐに交換しようとしたら「アチッ!!」となったり、時間が少したってから切れた電球を触ってもほのかに温かい。「もしかしたら電球は熱くなっていたのか?」という予想も付けられます。
それに業務用の白熱灯(今回使われていたもの)の場合、裏面に、『火事の危険性があるので照明を当てる箇所から2メートル以上離してお使いください』というような注意書きが必ず書いてあります。
それも確認していなかった。
それらの知識が欠如していたのではないか。と考えられます。
そしてもう一つは『おがクズは非常に燃えやすい』ということ。
これはキャンプなどに行き、薪に火をつける経験や、昔の生活を味わうために、木をこすり合わせて火を起こした経験のある人なら当たり前に持っている知識ではないでしょうか?
薪や木の枝がいくら乾燥していても、直接火をつけたところで瞬間的に火がつくことはありません。
まずおがクズなどの火種になるものに火をつけ、その火を利用して目的である木材に火をつけます。
この動画の場合、火種としてダンボールを使っています。今回のおがクズに当たるものです。
そしてそのダンボールに火をつけ、小枝、そして大きな木へと火を起こします。
いきなり枝は燃えないからです。
この二つの知識が当たり前のように備わっていたのであれば、木製のジャングルジムは良いとしても、火事の危険があるからおがクズを敷き詰めようなんて思わない。
せめて燃えにくいプラスチックにするなり何らかの替えは出来たのではないかと思う。
まとめ
これら、「白熱灯」、「おがクズ」の知識は学校では教わることはほとんどありません。
田舎の学校であれば自然教室と共にこれらの知識を得ることも自然にできるかもしれませんが、学校照明がLED化されていたり、管理人が全てやってくれたり、
火を起こす知識にしても近くに野山がないのであれば行く機会も極端に低いのではないでしょうか。
現在の学校教育は、親御さんがモンスターペアレント化してしまう人も多いため、
「子供ができるだけ安全なように」「怪我をしないように」「危険がない様に」というような教育方針が主軸になっているようですが、本来子供の頃に得ておかなければいけない知識をないがしろしてしい、大人になってもこの知識が欠如したままだと今回の様な大事故につながる可能性もあるのではないかと思います。
本当に子供のことを思うのであれば、学校教育にしても、「少し冒険させる」
そして親も「口を出し過ぎて教師や教育の妨げにならない」このような考え方もこれからの学校教育には必要なのではないかと思います。