「富士そば」は神経営だった 「ブラック企業?損してますね」
首都圏で働くサラリーマンであれば、一度はお世話になっているであろう立ち食いそばチェーン「富士そば」
経営者は80歳を迎えた今でも現役バリバリで、店回りを欠かさない丹氏に波乱万丈の人生を振り返ってもらいつつ、客にも従業員にもやさしい超ホワイトな経営哲学を前編記事(「最初は名前も『そば清』」だった!?…」)に続き、語ってもらった。
丹 僕が上京したての頃は泊まるお金がなくて、そば屋に入ったのね。店のTVで力道山やシャープ兄弟の試合を見て時間を潰してたんだけど、店のばあさんから「お兄ちゃん、もうそろそろ閉めるから出て行ってちょうだい」って言われて、上野のベンチで寝るわけ。あの時は寂しかったねー。
この間、僕はね、女房が出かけて帰りが遅かった日に、早く帰ってもつまらないから、ひとりで立ち食いそばを食べたの。そしたら昔のことを思い出してね、なんか涙が出ちゃって。寂しいのが一番嫌なんだよね。
―そんな想いもあって、24時間営業に?
丹 そう。今でも24時間やっていると、随分そういう人が来るんだよ。この間も男のコがスーパーで買ってきたおかずを隅で食べてたの。かわいそうだから、従業員に「熱いスープを丼一杯持ってってやりなさい」と言ったら、喜んで食べてたね。やっぱり東京は地方から出てきた人が多いから、家賃を払うのに精一杯な人も少なくないでしょ。
―お店的には、あんまり長居されても困りますよね?
丹 困るは困るけど、「出てってください」とは絶対に言わない。お互い様だから。従業員にも「冷たくしちゃダメ」と言ってるよ。いつかまたね、いいお客になるんだから。
―社内の会議室には「我々の信条」が貼ってありましたけど、従業員の生活が第一という経営方針があるそうですね。
丹 昔から母に言われてたの。「お金が欲しいなら、独り占めしちゃダメ。みんなに分けてやる精神がないと絶対に大きくなれない」って。だから富士そばでも、前年よりよければ給料を増やしなさいと言ってるのね。それさえしっかりしていれば、僕がどうのこうの言わなくても、みんな一生懸命やってくれる。
やっぱり東京にいる時は、お金がないと前に進まないでしょ。それは僕が痛いほど経験してきたから。汚いようだけど、やっぱりお金はあったほうがいいよね。
―アルバイトにもボーナスや退職金が出ると聞きましたが、本当ですか?
丹 出してるね。人間は平等なんだよ。僕は生まれた頃に父が死んで、母は僕を学校へ行かせるために再婚したの。でも、弟が生まれてからは、継父は弟ばかりかわいがって、僕はいじめられた。その時にみんな平等じゃないといけないと思った。それにそのほうが楽なんですよ。売り上げを増やせば、自分たちに返ってくるとわかってるから、僕が何も言わなくても、なんとかして売りたいといろいろ考えてくれる。
―今、世の中にはブラック企業と呼ばれる会社も多いですが。
丹 あれは損してるなと思うよ。なんでブラックにしなくちゃいけないかね。ちゃんと待遇をよくしてあげれば、みんな働くし、自分も楽ができる。どうしてそんなことをするんだろうね。ああいう企業の経営方針はよくわからない。
―大きい会社でも、内部留保でお金を貯め込むことが問題になっています。それについてはどう感じられますか?
丹 いや、これも内部留保なんだよ。みんなにお金をあげれば、やめずに働き続けてくれるでしょう。従業員は資産だから。
―今の若者に感じることはありますか?
丹 いいと思うよ。このままで。
―それはどういう理由で?
丹 そんなに苦労しちゃいけないと思う。僕自身、バカだなと思った。食べるのに苦労はしないけど、やっぱり大変なことは多いから。今の若者は賢いと思うな。適当に食べるお金があって、自分の人生をエンジョイするのはエラいですよ。
―でも、嫌々仕事してる人もいると思います。
丹 それはいかんね。自分にそぐわないことを嫌々する、そんな馬鹿らしいことはない。自分を変えるか、仕事を変えるか。もっとやりがいのあることをやらなきゃ。それが見つかるまでは、自分を探すこと。僕は自分に何が合ってるのか、本当にわからなかった。父に相談したかったけど、早くに死んでしまったしね。
若い頃に八百屋や油屋で丁稚奉公(でっちぼうこう)してた時は、何も面白くなかった。不動産も富士そばも自分の意思でやったから成功できたんだと思う。だから今の若者もやりがいのある仕事を見つけてほしいね。
本当にこの企業理念は様々な経営者が学ぶべきなんじゃないかな。
上の連中が意味のあるかどうかわからないような会議を繰り返して試行錯誤したところで、結局直接お金を生み出すのは現場の人間。
一番苦労していて大変な思いをしている人たちの給料が一番安くて、デスクでふんぞり返ってる連中の役員報酬だけアホみたいに高い。
誰がどの程度貰っているなんて絶対に噂になることだし、そんなスタンスじゃ現場の人間のモチベーションなんか保てるわけがないじゃないか。
それなのに「やる気がない」だのなんだの言われてもそりゃ無理ないよ。
頑張ったことがきちんと報酬として返ってくるんだったら、自然と人間は動くものだと思う。
もちろん今すぐ給料をあげろだのなんだのの話ではないが、上に立っている人の考え方がこの様な考え方をしてくれているのなら「頑張ろう」って自然に思えるのではないかな。
非常にいい例が今問題視されている介護業界。
介護業界は、国民の高齢化に伴い非常に需要が増えている。
当然需要があれば供給が増えてしかるべきなのだが、なぜか介護業界はどんどん潰れている。
なぜか
その一番の理由が、働き手である介護士がどんどんやめてしまうからだ。
この理由は簡単。仕事内容の過酷さに比べて給与待遇が低すぎるからだ。
大変で辛いのに給料が全然割に合わなければ普通は仕事を変える。
それなのに経営者はなぜか高級車を複数台所持している。
そんな車で通勤して来れば当然社員も目にする。
「なんだよ儲かってるのになんでうちらの給料は低いんだよ」
こん不平不満で多くの人がやめてしまうため、需要が多いのに介護施設が潰れる。
という社会的矛盾が起きる。
休みを増やせないのならその分社長報酬を削ってでも社員に還元して上げた方が結局は儲かるのに。と疑問でならない。
富士そばにはお世話になりました
以前都内に住んでいたときに、一番利用した外食は?と聞かれたら間違いなく「富士そば」一択ですね。
もちろん他の食事チェーン店も沢山利用しましたが、富士そばの比ではない。
というのも、今回のインタビューで富士そばの経営者さんである丹道夫さんが言っているように、富士そばは夜中に行ってもやっている。
それに、てんぷらやもりそば(のりのかかったそば)等を頼まずに、かけそば(本当にそばだけ)だけなら非常に格安。
ネギとわさびもちょっと付いてきて、そば湯も飲める。
そして何とっても本当にうまい。
この圧倒的便利さとコストパフォーマンスから物凄い回数利用しました。
丹道夫さんは自分で歌った演歌を店内で流すほど推しているようですが、演歌は聞きなれていなかったのでよくわからなかった。
でもあそこで洋楽が流れているよりもずっと「和」っぽい感じで良かったのかな。なんて今は思える。
それと、富士そばは店舗によって若干メニューが異なりますね。
普段自身はかけそばしか食べなかったのですが、ある日、東京、中野のサンモール商店街の中にある富士そばに立ち寄った時に、『冷やしゴマダレかけうどん』というのが置いてあり、
「うどんか~」と思いながらも食べてみたら「うっま!!!!!」と感じたのを今でも覚えている。
その後、秋葉原や高円寺その他もろもろの店舗を回ったけどその冷やしゴマダレかけうどんがあったのは中野店だけ。
もしかしたら期間限定なのかな?と思って色々見てみたら、秋葉原店にはその店舗しかないメニューを見つけたり、もしかしたら各店若干メニューが異なるのかもしれません。
富士そば各店限定メニュー
調べてみたらやっぱりそうだった。富士そばはなんと商品開発部門が存在しない!!
なんと各店の店長がオリジナルのメニューを作るそうです!!
現在富士そばの定番メニューである「かつどん」
じつはこのかつ丼は富士そば水道橋店店長が考案し、人気が出たため全店共通メニューになったそうです。
おそらく自身が食べた中野店の冷やしゴマダレうどんもオリジナルメニューなのでしょう。
期間限定なのか、その後見なかったが今はどうなのだろう…
もし東京に行く機会があったら食べたいな…懐かしすぎて普通に泣きそうw
期間限定メニューは比較的”異色”なメニューが多いようですw
「フランクそば」 フランクフルトがそのまま入っているwシュールw
「ドライカレー」 そば屋じゃなかったっけ?
「ナポリタン」 洋食屋かな?
「ポテそば」 フライドポテトがそのまんま入っている。なんだこりゃw
インパクトを狙ったのかちょっと変わったメニューが多いですね。
というか本部はよくOKだしたなw
あぁ…ほんとうにあのゴマダレそばもう一度食べたい…
オリジナルメニューはこちらが参考になります。
富士そばは関東区域中心のようですが、もっと全国展開しても十分売れると思うのですがなんでしないんだろ?
というかうちの地元の駅前に作ってほしい…
それに今回丹道夫さんの経営スタンスを聞いたらますます富士そばが食べたくなりました。
500円で満足できる!!近く寄ったら行きます!!
そいえば秋葉原店はなぜあんなに声が大きんだ…?